緊急企画

東日本大震災への大学の対応-1
震災復興に向けて農芸化学分野ができることは?

Vol.49 No.11 Page. 800 - 802 (published date : 2011年11月1日)
福田 雅夫1
  1. 長岡技術科学大学大学院工学研究科

概要原稿

筆者は今回の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震,M 9.0)を東京の霞ヶ関で体験した.ゆっくりとした横揺れが続き,今飛び出して来たビルや周辺のビルの最上階が揺れているのが目視できるという,これまで経験したことのないものであった.揺れが収まった後,鉄道網の麻痺と余震が続く中で行なわれた会議に参加し,そのまま会議室に泊まることになったが,会議室の前の部屋に用意されたテレビで見たものは,地震によりひき起こされた津波による想像を超える痛ましい被災の様子であった.東日本大震災では,震度7に及ぶ地震と遡上高が40メートル(岩手県宮古市)に達する大津波が岩手・宮城・福島の各県に甚大な被害をひき起こし,さらに山形・茨城・千葉・栃木の各県にも被害は及んだ.千葉では液状化現象により大きな被害が生じた.この震災による死者・行方不明者はおおよそ2万名,家屋の全半壊は30万戸に及び,未曾有の大災害となった(写真1).また,津波による破壊と海水の浸入は,漁業施設や工場だけでなく農作物や農地にも大きな被害をもたらした.

リファレンス

  1. 1) 農林水産省:‘農地土壌の放射性物質除去技術(除染技術)について’,http : //www.s.affrc.go.jp/docs/press/110914.htm
  2. 2) 日本土壌肥料学会:‘原発事故・津波関連情報’, http : //jssspn.jp/info/nuclear/
  3. 3) 内閣府:‘阪神・淡路大震災教訓情報資料集’,http : //www.bousai.go.jp/1info/kyoukun/hanshin_awaji/data/detail/3-4-3.html
  4. 4) 厚生労働省医薬食品局・審査管理課化学物質安全対策室:‘東北地方太平洋沖地震に伴う津波による毒物又は劇物の流出事故等に係る対応について’,http : //www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001djj7-att/2r9852000001dmco.pdf
  5. 5) 田辺信介:‘東日本大震災で懸念される海の化学汚染’,海洋政策研究財団,http : //www.sof.or.jp/jp/news/251-300/261_1.php
  6. 6) 震災対応ネットワーク(国立環境研究所):‘PCB含有廃棄物について(第一報:改訂版)’,http : //www.nies.go.jp/shinsai/pcb_no. 1rev_110401.pdf
  7. 7) 環境省:‘被災地の海洋環境のモニタリング調査結果(中間報告)の公表について’,http : //www.env.go.jp/jishin/monitoring/result_me110722.pdf
  8. 8) 東日本大震災と化学物質~環境省4月20日発表:‘有害物質等による環境汚染事故および施設の破損等’,http : //www16.plala.or.jp/chemicaldays/jishin/110420kankyoushou.html#osen
  9. 9) 環境省:‘東日本大震災の被災地におけるアスベスト大気濃度調査(第1次モニタリング)におけるアスベスト飛散事例について’,http : //www.env.go.jp/press/press.php?serial=13912
  10. 10) 環境バイオテクノロジー学会:第44回環境バイオテクノロジー学会シンポジウム‘復旧・復興への環境バイオテクノロジーからの提言’要旨集
  11. 11) 林野庁:‘木質バイオマスのエネルギー利用に関する検討会’,http : //www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/biomass/kentou.html


本文はトップページからログインをして頂くと表示されます。