「化学と生物」文書館

古細菌脂質研究の展開

Vol.49 No.12 Page. 865 - 869 (published date : 2011年12月1日)
古賀 洋介1
  1. 産業医科大学名誉教授

概要原稿

大学に入学したとき,高校時代から興味のあった「“生きている”とはどういうことか」を学べれば,という希望が無意識のうちに潜んでいた.学習が進むにつれて,細胞が生きている単位,細胞は膜で囲まれることが必須,膜は脂質でできている,膜脂質は多様である,ことまでわかってきた.ここで膜脂質を研究したい,という気持ちをもったが,具体的テーマはなかなか思いつかなかった.脂質は膜をつくるという共通の性質をもっていながら,構造は相当多様である.当時(1970年代)研究が盛んになってきた極限環境微生物から,動植物や大腸菌とは相当違う脂質が次々と発見されてきた.さらに,第三の系統といわれる古細菌が発見され,新規脂質の存在が期待された.

リファレンス

  1. 1) 古賀洋介,森井宏幸:醗酵工学会誌,64, 115 (1986).
  2. 2) 古賀洋介,森井宏幸,西原正照:醗酵工学会誌,65, 419 (1987).
  3. 3) 古賀洋介,大神真美:醗酵工学会誌,70, 303 (1992).
  4. 4) 古賀洋介:“古細菌”,東京大学出版会,1988.
  5. 5) 古賀洋介,亀倉正博:“古細菌の生物学”,東京大学出版会,1998.
  6. 6) M. Nishihara, H. Morii & Y. Koga : J. Biochem., 101, 1007 (1987).
  7. 7) M. Nishihara & Y. Koga : J. Biochem., 117, 933 (1995).
  8. 8) Y. Koga : J. Mol. Evol., 72, 274 (2011).
  9. 9) Y. Koga, M. Nishihara, H. Morii & M. Akagawa-Matsushita : Microbiol. Rev., 57, 164 (1993).
  10. 10) Y. Koga & H. Morii : Biosci. Biotechnol. Biochem., 69, 2019 (2005).
  11. 11) Y. Koga & H. Morii : Microbiol. Mol. Biol. Rev., 71, 97 (2007).
  12. 12) Y. Koga & H. Morii : Anal. Biochem., 348, 1 (2006).


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