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接ぎ木栽培によるナス果実のカドミウム低減メカニズムを探る
シンクロトロン放射光源マイクロビーム蛍光X線分析の応用

Vol.50 No.1 Page. 7 - 8 (published date : 2012年1月1日)
山口 紀子1
  1. (独)農業環境技術研究所

概要原稿

農林水産省による全国調査の結果,国産ナスの約7%がカドミウム (Cd) 含有量において0.05 mg/kgという国際基準値を超過している実態が明らかとなり,ナスのCd吸収を抑制する技術の開発が必要となった.竹田ら(1)は,Cd吸収能の低い台木品種を用いることで,ナス果実のCd濃度を大幅に低減できることを見いだした.ナスでは,耐病性を向上させるために,近縁種に接木をする栽培が一般的に行なわれている.このため,接木栽培によるナス果実Cd低減技術は,コスト,普及性の面からも実用性の高い対策技術である.

リファレンス

  1. 1) 竹田宏行,西原英治,荒尾知人:日本土壌肥料学雑誌,78, 581 (2007).
  2. 2) T. Arao, H. Takeda & E. Nishihara:Soil Sci. Plant Nutr., 54, 555 (2008).
  3. 3) http://www.spring8.or.jp/wkg/BL37XU/instrument/lang/INS-0000000592/instrument_summary_view
  4. 4) N. Yamaguchi, S. Mori, K. Baba, S. Kaburagi-Yada, T. Arao, N. Kitajima, A. Hokura & Y. Terada:Environ. Exp. Bot., 71, 198 (2011).


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