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脂質成分を利用したグイマツ雑種F1苗木の判別
ケモタキソノミーの林業分野への応用

Vol.50 No.2 Page. 82 - 85 (published date : 2012年2月1日)
佐藤 真由美1
  1. 北海道立総合研究機構林産試験場

概要原稿

北海道のカラマツ造林において,最大の課題は野鼠害であった.そのため,北海道では野鼠害に強いといわれたグイマツLarix gmeliniiとカラマツL. kaempferiとの種間交雑育種が精力的に進められてきた.グイマツ雑種F1,L. gmelinii×L. kaempferi(以下F1)はグイマツを母樹とし,カラマツを花粉親とした林業用種間雑種であり,成長速度,材質,病虫獣害・気象害に対する抵抗性などの点に優れる.さらに,CO2固定能が高く,環境対策の面からも有望な造林樹種である.環境サミットとして注目されたG8北海道洞爺湖サミットでは,各国首脳がF1を記念植樹している.

リファレンス

  1. 1) E. Hayashi, K. Iizuka, S. Sukeno & K. Kohno : J. For. Res., 3, 119 (1998).
  2. 2) M. Sato, K. Seki, K. Kita, Y. Moriguchi, M. Hashimoto, K. Yunoki & M. Ohnishi : J. Wood Sci., 55, 32 (2009).
  3. 3) S. Mongrand, A. Badoc, B. Patouille, C. Lacomblez, M. Chavent, C. Cassagne & J. Bessoule : Phytochemistry, 58, 101 (2001).
  4. 4) M. Sato, K. Seki, K. Kita, Y. Moriguchi, K. Yunoki, H. Kofujita & M. Ohnishi : Biosci. Biotechnol. Biochem., 72, 2895 (2008).


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