生物コーナー
マウスは求愛の歌を歌う
Vol.50 No.2 Page. 131 - 135 (published date : 2012年2月1日)
概要原稿
動物の世界,動物の行動はまだまだ解き明かせない謎に満ち溢れている.たとえば,世界中には様々な形,色,鳴き声をもつ鳥が数多くいる.鳥類の中でも鳴禽類は別名歌鳥類とも呼ばれるほど,そのさえずりが美しく,長年世界各地で愛玩用として繁殖されてきた.身近なものとして,カナリア,ジュウシマツ,ブンチョウなど日本で馴染みの深いものから,フィンチ類など海外で人気のものもある.これらの鳥はその名に示すように,繁殖期になるとオスがメスに向かって歌(さえずり)を歌うことが知られている.これまでの研究から,これら鳴禽類の歌の特徴は,ヒトが話し言葉を学ぶのと似ていることが明らかとなっている.
リファレンス
- 1) 岡ノ谷一夫:“さえずり言語起源論―小鳥の歌からヒトの言葉へ”,岩波科学ライブラリー,2010.
- 2) T. E. Holy & Z. Guo : PLoS Biol., e386 (2005).
- 3) T. Kikusui, K. Nakanishi, R. Nakagawa, M. Nagasawa, K. Mogi & K. Okanoya : PLoS One, e17721 (2011).
- 4) H. Sugimoto, S. Okabe, M. Kato, N. Koshida, T. Shiroishi, K. Mogi, T. Kikusui & T. Koide : PLoS One, e22093 (2011).
- 5) J. M. Grimsley, J. J. Monaghan & J. J. Wenstrup : PLoS One, e17460 (2011).
- 6) C. S. Lai, S. E. Fisher, J. A. Hurst, F. Vargha-Khadem & A. P. Monaco : Nature, 413, 519 (2001).
- 7) D. F. Newbury & A. P. Monaco : Neuron, 68, 309 (2010).
本文はトップページからログインをして頂くと表示されます。