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新規エナンチオ選択的イミン還元酵素の探索と発見
光学活性アミンの酵素合成への展開とその可能性
Vol.50 No.3 Page. 158 - 160 (published date : 2012年3月1日)
満倉 浩一1,
長澤 透1
- 岐阜大学工学部生命工学科
概要原稿
光学活性アミンは,医薬品やアルカロイドのような生物活性化合物の構成分子として有用な物質であり,効率的な合成法が検討されている.近年,化学合成では,有機溶媒中でイミンあるいはエナミンの触媒的不斉還元による光学活性アミンの合成が数多く報告されている(1).一方,酵素合成では,酵素の立体特異性や広い基質特異性などの優れた特徴に加えて,それらの酵素遺伝子や立体構造に関する情報が入手しやすいこともあり,加水分解酵素,アミノ基転移酵素,アミン酸化酵素を用いる多くの試みがある.これらの方法は収率や反応平衡などの問題も抱えているが,様々な工夫により効率的な光学活性アミン合成が (基質特異性に依存するが) 可能になりつつある
リファレンス
- 1) I. Ojima (ed.) : “Catalytic Asymmetric Synthesis”, John Wiley and Sonsh, 2010.
- 2) 満倉浩一,吉田豊和:“エコバイオリファイナリー”,シーエムシー出版,2010, p. 160.
- 3) H. Li, P. Williams, J. Micklefield, J.M. Gardiner & G. Stephens : Tetrahedron, 60, 753 (2004).
- 4) K. Mitsukura, M. Suzuki, K. Tada, T. Yoshida & T. Nagasawa : Org. Biomol. Chem., 8, 4533 (2010).
- 5) K. Mitsukura, M. Suzuki, S. Shinoda, T. Kuramoto, T. Yoshida & T. Nagasawa : Biosci. Biotechnol. Biochem., 75, 1778 (2011).
- 6) 八木達彦,福井俊郎,一島英治,鏡山博行,虎谷哲夫(編集):“酵素ハンドブック第3版”,朝倉書店,2008.
- 7) T. Vaijayanthi & A. Chadha : Tetrahedron Asymmetry, 19, 93 (2008).
- 8) M. Espinoza-Moraga, T. Petta, M. Vasquez-Vasquez, V. F. Laurie, L. A. B Moraes & L. S. Santos : Tetrahedron Asymmetry, 21, 1988 (2010).
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