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シスチン・グルタミン酸トランスポーター(xc-系)
細胞へのシスチン取り込みを介した酸化ストレス防御機構と新たな展開

Vol.50 No.5 Page. 316 - 318 (published date : 2012年5月1日)
佐藤 英世1
  1. 山形大学農学部

概要原稿

哺乳類細胞膜を介するアミノ酸輸送に関する研究は,1950年代ころから米国のChristensenらを中心に精力的に展開され,基質特異性やナトリウム依存性などを指標としていくつかのアミノ酸輸送系が同定された(1).それらのアミノ酸輸送系の分子基盤がアミノ酸トランスポーターと総称される膜タンパク質であり, 1990 年代以降,今日までにほとんどのアミノ酸輸送系を司るトランスポーター遺伝子が分子クローニングされている. アミノ酸トランスポーターの第一義的な機能は,もちろんアミノ酸を細胞内外に輸送する機能であるが,そこから派生して様々な生理機能や病態に関係する例が少なからず知られている.ここでは,そのような例を日本人研究者によって見いだされたアミノ酸輸送系を題材に紹介する.

リファレンス

  1. 1) H. N. Christensen : Physiol. Rev., 70, 43 (1990).
  2. 2) S. Bannai & E. Kitamura : J. Biol. Chem., 255, 2372 (1980).
  3. 3) H. Sato, M. Tamba, T. Ishii & S. Bannai : J. Biol. Chem., 274, 11455 (1999).
  4. 4) H. Sato et al. : J. Biol. Chem., 280, 37423 (2005).
  5. 5) S. A. Lyons, W. J. Chung, A. K. Weaver, T. Ogunrinu & H. Sontheimer : Cancer Res., 67, 9463 (2007).
  6. 6) N. E. Savaskan et al. : Nature Med., 14, 629 (2008).


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