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In Vitro 精子形成の条件
培養成功のカギは血清代替物.重要因子はアルブミンか?

Vol.50 No.5 Page. 318 - 320 (published date : 2012年5月1日)
小川 毅彦1
  1. 横浜市立大学大学院医学研究科

概要原稿

精子幹細胞から始まり精子産生に至る精子形成の全過程は,マウスでは35 日間,ヒトでは64 日間の長期間に及ぶ.この特殊な細胞分化の過程を培養下で再現するという試みはおよそ1世紀前に始まり,多くの研究者がこの課題に挑戦してきた.しかし,これまでの成果はいずれも,部分的な成功に留まっていた.昨年,筆者らのグループは新生仔マウス精巣組織を培養下で成熟させ,精子を産生させることに成功した(1).ここでは,客観的な視点から,in vitro精子形成について概説する.

リファレンス

  1. 1) T. Sato, K. Katagiri, A. Gohbara, K. Inoue, N. Ogonuki, A. Ogura, Y. Kubota & T. Ogawa : Nature, 471, 504 (2011).
  2. 2) M. Kanatsu-Shinohara, N. Ogonuki, K. Inoue, H. Miki, A. Ogura, S. Toyokuni & T. Shinohara : Biol. Reprod., 69, 612 (2003).
  3. 3) A. Steinberger, E. Steinberger & W. H. Perloff : Exp. Cell Res., 36, 19 (1964).
  4. 4) A. Gohbara, K. Katagiri, T. Sato, Y. Kubota, H. Kagechika, Y. Araki, Y. Araki & T. Ogawa : Biol. Reprod., 83, 261 (2010).
  5. 5) T. Sato, K. Katagiri, T. Yokonishi, Y. Kubota, K. Inoue, N. Ogonuki, S. Matoba, A. Ogura & T. Ogawa : Nature Commun., 2, 472 (2011).


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