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クワガタムシにおける空中窒素利用の可能性
里山の人気者は物質循環の立役者
Vol.50 No.6 Page. 400 - 401 (published date : 2012年6月1日)
概要原稿
空中窒素固定は一般には植物でよく知られている.古くからダイズなどのマメ科植物が有名であり,近年になって畑作物ではサツマイモなども仲間入りしている.これらは地力の低い土地でも比較的生育が良い植物でもある.
この空中窒素固定とは,空気成分の8割ほどを占める窒素ガスを,生物が硝酸態窒素やアンモニアなどの窒素化合物に変換する現象である.ダイズでは根に根粒菌が寄生し,根粒菌は宿主から光合成産物である炭水化物を供給してもらい,そのかわりに空中窒素固定で得た窒素化合物を宿主に与えて生育を助け,ひいては種子の増産にも貢献する.
リファレンス
- 1) J. R. Benemann : Science, 181, 164 (1973).
- 2) J. A. Breznak, W. J. Brill, J. W. Mertins & H. C. Coppel : Nature, 244, 577 (1973).
- 3) J. R. Bridges : Microb. Ecol., 7, 131 (1981).
- 4) T. Kuranouchi, T. Nakamura, S. Shimamura, H. Kojima, K. Goka, K. Okabe & A. Mochizuki : J. Appl. Entomol., 130, 471 (2006).
- 5) 藏之内利和,望月 淳,鈴木一隆,小島啓史,五箇公一:昆蟲(ニューシリーズ),14(4), 276 (2011).
- 6) M. Tanahashi, K. Kubota, N. Matsushita & K. Togashi : Naturwissenschaften, 97, 311 (2010).
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