セミナー室
/ 食品の官能評価法
官能評価とは何か,そのあるべき姿
Vol.50 No.7 Page. 518 - 524 (published date : 2012年7月1日)
概要原稿
感覚や好みは食物の選択,摂取から消化,吸収まで支配し,よりよく食べ,生きる悦びを味わうことに寄与している.近年感覚の生理学的メカニズムは遺伝子から脳のレベルまで急速に解明されてきたが,いかに科学技術が進歩しても,人の感覚や好みを直接測定することはできない.そのため用いられているのが官能評価である.官能評価とは人の五感(視覚,聴覚,嗅覚,味覚,触覚)に頼って物の特性や人の感覚そのものを測定する方法をいい,具体的には大勢の人(パネル)に,一定の条件で,与えられた試料を,見る,嗅ぐ,味わうなどをして設問に言葉や数字(尺度)で答えてもらい,結果を統計的に解析する.
リファレンス
- 1) 日科技連官能評価委員会(編):新版官能検査ハンドブック,日科技連出版社 (1973).
- 2) 佐藤 信:官能評価入門,日科技連出版社 (1978).
- 3) 佐藤 信:統計的官能検査法,日科技連出版社 (1985).
- 4) 國中 明:農化,34, 489 (1960).
- 5) 消費者意識調査とタマネギの食味評価から見た野菜の地味の重要性,日本味と匂誌,17, 327 (2010).
- 6) 山口静子:日本醸造協会誌,103, 163 (2008).
- 7) 村井 実:「善さ」の構造,講談社学術文庫 (1978).
- 8) I. B. Sjöström : “Effect of Glutamate on the Flavor and Foods.” Monograph of a second symposium on monosodium glutamate. Research and Development Associates. Food and Container Inc., Chicago, 1955.
- 9) 山口静子:うま味の基本特性とおいしさへの寄与,日本味と匂誌,15, 145 (2008).
- 10) 山口静子,鈴木康司:うま味の概念形成と認知プロセス,日本味と匂誌,15, 489 (2008).
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