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進むストリゴラクトンアゴニスト創製
科学的・実用的応用を目指した展開

Vol.50 No.8 Page. 562 - 563 (published date : 2012年8月1日)
福井 康祐1, 浅見 忠男1
  1. 東京大学大学院農学生命科学研究科

概要原稿

薬と受容体の関係は,しばしば鍵と鍵穴の関係にたとえられる.鍵が鍵穴にぴったり合っていないと扉を開けることができないように,薬もその受容体にぴったり合っていなければ効果を示さない.薬と受容体の結合特異性が高い場合,他の物質がその薬と同様の作用を示すことは難しくなる.一方で薬と受容体の結合特異性が低く,複数の類縁体が一つの受容体に結合して同様の作用を示す場合や,また逆に一つの薬がいくつかの受容体に作用する場合には,合成類縁体によりその作用を模倣したり,また受容体に対する親和性を制御したりできる可能性が高くなる.このような状況は,薬の場合だけでなく天然の植物生理活性物質と受容体の関係にも当てはまる.

リファレンス

  1. 1) V. Gomez-Roldan, S. Fermas, P. B. Brewer, V. Puech-Pages, E. A. Dun et al. : Nature, 455, 189 (2008).
  2. 2) M. Umehara, A. Hanada, S. Yoshida, K. Akiyama, T. Arite et al. : Nature, 455, 195 (2008).
  3. 3) K. Akiyama, K. Matsuzaki & H. Hayashi : Nature, 435, 824 (2005).
  4. 4) C. E. Cook, L. P. Whichard, B. Turner, M. E. Wall & G. H. Egley : Science, 154, 1189 (1966).
  5. 5) 米山弘一,謝 肖男,米山香織:植物の生長調節,45, 83 (2010).
  6. 6) B. Zwanenburg, A. S. Mwakaboko, A. Reizelman, G. Anilkumar & D. Sethumdahavan : Pest. Manag. Sci., 65, 478 (2009).
  7. 7) K. Fukui, S. Ito, K. Ueno, S. Yamaguchi, J. Kyozuka & T. Asami : Bioorg. Med. Chem. Lett., 21, 4905 (2011).
  8. 8) K. Akiyama, S. Ogasawara, S. Ito & H. Hayashi : Plant Cell Physiol., 51, 1104 (2010).


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