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イントロンへの挿入配列が遺伝子発現量を調整する
ブドウ果皮の着色を決定するMybA1の新たな発現制御機構の発見

Vol.50 No.10 Page. 706 - 707 (published date : 2012年10月1日)
鈴木 俊二1, 藤田 景子2
  1. 山梨大学大学院医学工学総合研究部
  2. 県立広島大学生命環境学部

概要原稿

ブドウはさまざまな国で広く栽培されており,生産量が多い果物の一つである.ブドウ果実の果皮色はさまざまであるが,大きく黄緑色品種(いわゆる“白ブドウ”),赤色および黒色品種(いわゆる“赤ブドウ”)に分類される.日本では,主に生食用としてブドウが栽培されているため,果実の外観は非常に重要視される.新品種の育種では,果皮色に着目した選抜を行うことも多い.世界では主にワインの原料としてブドウが栽培されている.赤色および黒色品種からは赤ワインが,黄緑色品種からは白ワインが醸造されている.赤ワインを醸造するときに,果皮色はそのままワインの色に直結するため,ブドウの着色不良はワイン醸造において大きな問題となる.これらの背景から,ブドウ果実の色,すなわち“果皮色”に関する研究は,新品種の育成・選抜,栽培方法の改善,ワイン醸造などさまざまな方面から注目を集めている.

リファレンス

  1. 1) S. Kobayashi, N. Goto-Yamamoto & H. Hirochika : Science, 304, 982 (2004).
  2. 2) M. Shimazaki, K. Fujita, H. Kobayashi & S. Suzuki : PLoS ONE, 6, e21308 (2011).
  3. 3) K. R. Luehrsen & V. Walbot : Nucl. Acids Res., 20, 5181 (1992).


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