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リベロマイシンA生合成にかかわる未知酵素の解明
スピロアセタール環化酵素の発見

Vol.51 No.3 Page. 138 - 140 (published date : 2013年3月1日)
高橋 俊二1, 長田 裕之1
  1. 理化学研究所

概要原稿

微生物は,臨床的に重要な薬剤として使われているさまざまなポリケチド化合物(エリスロマイシン,エポチロン,ラパマイシン,ロバスタチンなど)を生産する.ポリケチド合成酵素 (PKS) により生合成された中間体はそのままでは活性を示さず,さまざまな酵素の修飾を受けて多様な構造を形成した後に生理活性を獲得するため,構造多様化にかかわる酵素反応を解明することは,新しい薬剤開発に必要な生合成理論構築につながる.筆者らは,バクテリア,渦鞭毛藻,海綿動物から広く見いだされているポリケチド化合物のなかで,さまざまな生理活性(イオノホア,プロテインホスファターゼ阻害,駆虫作用,抗菌作用など)をもつことで知られており,立体特異的構造の形成機構が不明なスピロアセタール化合物に着目した.

リファレンス

  1. 1) H. Osada et al. : J. Antibiot., 44, 259 (1991).
  2. 2) J.T. Woo et al. : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103, 4729 (2006).
  3. 3) H. Muguruma et al. : Clin. Cancer Res., 11, 8822 (2005).
  4. 4) A. Yano et al. : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 105, 15541 (2008).
  5. 5) T. Shimizu et al. : Org. Lett., 2, 2153 (2000).
  6. 6) M. Oliynyk et al. : Mol. Microbiol., 49, 1179 (2003).
  7. 7) H. Ikeda et al. : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96, 9509 (1999).
  8. 8) W. Li et al. : J. Biol. Chem., 283, 28607 (2008).
  9. 9) B. Frank et al. : Chem. Biol., 14, 221 (2007).
  10. 10) S. Takahashi et al. : Nat. Chem. Biol., 7, 461 (2011).


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