書評
微生物学
Vol.54 No.5 Page. 369 - 369 (published date : 2016年4月20日)
概要原稿
「化学と生物」誌 46巻5号の巻頭言「人間の未来と農芸化学」の中で,私は次のように書いた.「農芸化学は,自然の事物を常にパートナーと考える,いわば『性善説の自然科学』である.医学の世界では微生物と言えば病気を起こす悪玉だが,農芸化学では微生物は有用物質を作ってくれる善玉と考える」と.同じ頃,中学や高校で「役に立つ微生物」を学ぶ機会が少ないことを問題視する声が農芸化学者たちから上がり,文科省への働きかけも行われた.その活動に効果があったかどうかはあまり自信がないが,昨年の大村先生によるノーベル賞受賞は,われわれがごちゃごちゃ言うよりもはるかに能弁に微生物の有用性を国民に理解させたのだろうと思う.
リファレンス
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