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新しいトリプトファン代謝経路を放線菌から発見
放線菌由来プレニル化インドールの生合成経路の解明

Vol.52 No.3 Page. 148 - 150 (published date : 2014年3月1日)
尾崎 太郎1,2, 葛山 智久1
  1. 東京大学生物生産工学研究センター
  2. 東京大学大学院農学生命科学研究科

概要原稿

放線菌は多様な二次代謝産物を生産する産業上重要な微生物である.ストレプトマイシンやエバーメクチンなど多くの化合物が放線菌から単離され,医薬品などとして利用されてきた.近年のゲノム解析の進展によって多くの放線菌ゲノムも解読されたが,それによって,多くの株が実際に生産している化合物の数よりはるかに多くの数の二次代謝産物生合成遺伝子を有していることが明らかになってきた.そのような機能未知の生合成遺伝子群のなかには,新たな代謝経路のための酵素群をコードし,新規化合物の生合成に関与するものが数多く存在すると期待されるため,近年その解析が盛んに行われている.

リファレンス

  1. 1) S. Li : Nat. Prod. Rep., 27, 57 (2010).
  2. 2) S. Takahashi, H. Takagi, A. Toyoda, M. Uramoto, T. Nogawa, M. Ueki, Y. Sakaki & H. Osada : J. Bacteriol., 192, 2839 (2010).
  3. 3) T. Ozaki, M. Nishiyama & T. Kuzuyama : J. Biol. Chem., 288, 9946 (2013).
  4. 4) M. D. Mikkelsen, B. L. Petersen, C. E. Olsen & B. A. Halkier : Amino Acids, 22, 279 (2002).
  5. 5) J. M. Sánchez López, M. Martínez Insua, J. Pérez Baz, J. L. Fernández Puentes & L. M. Cañedo Hernández : J. Nat. Prod., 66, 863 (2003).
  6. 6) N. Steffan, A. Grundmann, W. Yin, A. Kremer & S. Li : Curr. Med. Chem., 16, 218 (2009).


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