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酸素濃度応答にはタンパク質分解が必要?
Ubr1様ユビキチンリガーゼの重要性

Vol.51 No.5 Page. 280 - 282 (published date : 2013年5月1日)
北村 憲司1
  1. 広島大学自然科学研究支援開発センター

概要原稿

細胞内の酸化還元状態は一定レベルに維持されており,その乱れは疾病の一因ともなる.生存を酸素に依存する多くの生物では,ミトコンドリアでのATP生成時に生じる活性酸素種のほか,細胞内外のさまざまな酸化ストレスに常に対処している.微生物や植物では,雨天時の水没など逆に突発的な低酸素状況が起こりうる.さらに動物でも体内の酸素濃度は均一ではなく,哺乳類の骨髄中をはじめさまざまな組織の幹細胞が存在するいわゆる「幹細胞ニッチ」はほかよりも低酸素環境とされ,また血管が十分に発達せず酸素供給が不足する腫瘍組織内部でもがん細胞は旺盛に生育するなど,生物は低酸素状態に対応するすべも備えている.

リファレンス

  1. 1) 中山 恒:実験医学,29, 141 (2011).
  2. 2) 村上昌平,本橋ほづみ : 細胞工学,31, 144 (2012).
  3. 3) K. Kitamuraet al.:Mol. Microbiol.,80, 739 (2011).
  4. 4) C. Y. Leeet al.:Mol. Cell,44, 225 (2011).
  5. 5) A. Varshavsky :Protein Sci.,20, 1298 (2011).
  6. 6) D. J. Gibbset al.:Nature,479, 415 (2011).
  7. 7) F. Licausiet al.:Nature,479, 419 (2011).
  8. 8) R. G. Huet al.:Nature,437, 981 (2005).
  9. 9) R. G. Huet al.:Proc. Natl. Acad. Sci. USA,105, 76 (2008).


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