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抗体医薬開発の新潮流
ベストインクラス抗体医薬の創薬と求められるマウスモデルの関係

Vol.54 No.12 Page. 864 - 866 (published date : 2016年11月20日)
塩田 明1
  1. 株式会社特殊免疫研究所
vol54_12

 

概要原稿

抗体医薬が臨床で成功した要因は,臨床効果に直結する標的を見いだし,その抗体の臨床開発をいち早く実施したことにある.抗体医薬開発には大きな先行者利益が伴っていた.しかし,技術的進歩により抗体?薬物複合体や二重特異性抗体などの新しい抗体医薬が顕在化し,さまざまな免疫チェックポイント阻害抗体医薬の開発が進められている.抗体医薬は動物実験によるインビボ評価が実施されていなかったが,筆者らが開発した抗体医薬の標的抗原とFcγ受容体ファミリーの両方をヒト化したマウス(「ヒト抗原マウス」)を利用することにより,ベストインクラス抗体医薬の創薬,または既存抗体医薬の新規適用の探索に大きなメリットを得ることができる.

リファレンス

  1. 1) 山口照英:国立医薬品食品衛生研究所報告,132, 36 (2014).
  2. 2) M. Pauthner, J. Yeung, C. Ullman, J. Bakker, T. Wurch, J. M. Reichert, F. Lund-Johansen, A. R. Bradbury, P. J. Carter & J. P. Melis: MAbs, 8, 617 (2016).
  3. 3) R. V. J. Chari, M. L. Miller & W. C. Widdison: Angew. Chem. Int. Ed., 53, 3796 (2014).


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