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新気孔シグナル分子
8-ニトロ-cGMP

Vol.51 No.6 Page. 348 - 350 (published date : 2013年6月1日)
岩井 純夫1
  1. 鹿児島大学農学部

概要原稿

気孔は植物葉表面に存在する小さな孔で,この孔を通して光合成に必要な二酸化炭素が取り入れられる一方,水分と酸素が放出される.このように植物の生存を左右する気孔の開閉は極めて巧緻に制御されている.さまざまなシグナル分子が気孔閉鎖をもたらすことが知られているが,そのなかでも一酸化窒素は近年注目されているものの一つである.一酸化窒素は細胞膜透過可能な活性ラジカルで動物では数多くの研究がなされ,1998年にはその生体機能の発見者にノーベル賞が授与されている.植物の一酸化窒素研究の歴史は動物に比べ10年の遅れはあるが,根の伸長,細胞壁のリグニン化,セネッセンス,葉緑素合成,病害抵抗性誘導,気孔閉鎖などに一酸化窒素が関与していることが次々と明らかにされつつある(1).

リファレンス

  1. 1) L. Lamattina, C. García-Mata, M. Graziano & G. Pagnussat :Annu. Rev. Plant Biol.,54, 109 (2003).
  2. 2) S. J. Neill, R. Desikan, A. Clarke & J. Hancock :Plant Physiol.,128, 13 (2002).
  3. 3) T. Joudoi, Y. Shichiri, N. Kamizono, T. Akaike, T. Sawa, J. Yoshitake, N. Yamada & S. Iwai :The Plant Cell,25, 558 (2013).
  4. 4) T. Sawa, M. Zaki, T. Okamoto, T. Akuta, Y. Tokutomi, S. Kim-Mitsuyama, H. Ihara, A. Kobayashi, M. Yamamoto, S. Fujiiet al.:Nat. Chem. Biol.,3, 727 (2007).
  5. 5) V. Yermilov, J. Rubio, M. Becchi, M. D. Friesen, B. Pignatelli & H. Ohshima :Carcinogenesis,16, 2045 (1995).


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