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ステロイドホルモン生合成におけるコレステロール代謝の進化的保存性と多様性
Rieske型酵素DAF-36/Neverlandの研究から

Vol.51 No.6 Page. 355 - 357 (published date : 2013年6月1日)
丹羽 隆介1,2
  1. 筑波大学生命環境系
  2. 科学技術振興機構さきがけ

概要原稿

ステロイドホルモンは,ほぼすべての多細胞生物において,発生,成長,生殖,そしてホメオスタシスの制御に必須の役割を担う.一般に,動物におけるステロイドホルモン生合成の出発材料は,食餌あるいは体内での新規合成に由来するコレステロールである.脊椎動物のステロイドホルモン生合成経路の場合,コレステロールは側鎖の切断によってプレグネノロンに変換される(図1).この変換を担う酵素として,シトクロムP450であるP450scc/CYP11A1が古くから知られている.CYP11A1によるコレステロールの代謝は,脊椎動物のステロイドホルモン生合成の律速段階とされ,生体内でのステロイドホルモン量を制御するうえで最も重要なステップであるとされる.

リファレンス

  1. 1) 丹羽隆介:“脱皮と変態の生物学—昆虫と甲殻類のホルモン作用の謎を追う”,園部治之,長澤寛道編,東海大学出版会,2011, p. 55.
  2. 2) J. Wollam & A. Antebi :Annu. Rev. Biochem.,80, 885 (2011).
  3. 3) T. Yoshiyama, T. Namiki, K. Mita, H. Kataoka & R. Niwa :Development,133, 2565 (2006).
  4. 4) T. Yoshiyama-Yanagawa, S. Enya, Y. Shimada-Niwa, S. Yaguchi, Y. Haramoto, T. Matsuya, K. Shiomi, Y. Sasakura, S. Takahashi, M. Asashima, H. Kataoka & R. Niwa :J. Biol. Chem.,286, 25756 (2011).
  5. 5) 丹羽隆介,梅井洋介:日本農薬学会誌,37, 377 (2012).
  6. 6) M. Lang, S. Murat, A. G. Clark, G. Gouppil, C. Blais, L. M. Matzkin, E. Guittard, T. Yoshiyama-Yanagawa, H. Kataoka, R. Niwaet al.:Science,337, 1658 (2012).


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