今日の話題

生きているマウスで酸化ストレスを見えるように
ホタルの発光機構と酸化ストレス応答反応を巧みに組み合わせたマウスの誕生

Vol.51 No.6 Page. 361 - 363 (published date : 2013年6月1日)
及川 大輔1, 岩脇 隆夫1
  1. 群馬大学先端科学研究指導者育成ユニット

概要原稿

今回の話題は,酸化ストレスを「光」で検出するマウスである(1).地球を取り巻く大気には約21%の酸素が含まれている.多くの生物は,その酸素を取り込むことで呼吸しており,酸素は生命を維持するうえで必要不可欠なものと考えられている.その一方,酸素には有害な一面がある.体内に取り込まれた酸素の一部は,不安定で多くの物質と反応しやすい活性酸素に変化する.この活性酸素は,DNAやタンパク質,脂質などの生体分子を酸化し,それらの機能を奪うことが知られている.

リファレンス

  1. 1) D. Oikawa, R. Akai, M. Tokuda & T. Iwawaki :Scientific Reports,2, 229 (2012).
  2. 2) 吉川敏一,野原一子,河野雅弘:“活性酸素・フリーラジカルのすべて—健康から環境汚染まで”,丸善,2000.
  3. 3) 山本雅之,赤池孝章,一條秀憲,森 泰生:“活性酸素・ガス状分子による恒常性制御と疾患~酸化ストレス応答と低酸素センシングの最新知見からがん,免疫,代謝・呼吸・循環異常,神経変性との関わりまで”,羊土社,2012, p. 42.
  4. 4) 近江谷克裕:“発光生物のふしぎ 光るしくみの解明から生命科学最前線まで”,ソフトバンククリエイティブ,2009.


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