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原核生物の新規な獲得免疫機構CRISPR/Casシステム
リピートとスペーサーの規則的反復構造が細菌の進化をコントロールする

Vol.51 No.7 Page. 441 - 444 (published date : 2013年7月1日)
渡辺 孝康1, 中川 一路1, 丸山 史人1
  1. 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科

概要原稿

近年,細菌学の分野でCRISPRという目新しい言葉が注目されている.真正細菌・古細菌に広く保存されており,細菌の外来性遺伝子に対して獲得免疫機構を担っていることが示唆されていることから,細菌の生命現象を理解するうえで欠かせない遺伝的要素であると言える.しかしCRISPRに関する総説は,あまりに急激に研究が進展しているため,本邦ではいまだ出版されていない.本稿ではCRISPRに関する基本的事項について述べるとともに,菌株タイピングへの応用や獲得免疫以外の新機能などの最新のトピックについても,われわれの研究成果を交えながら紹介したい.

リファレンス

  1. 1) D. Bhayaet al.:Annu. Rev. Genet.,45, 273 (2011).
  2. 2) Y. Ishinoet al.:J. Bacteriol.,169, 5429 (1987).
  3. 3) R. Jansenet al.:OMICS,6, 23 (2002).
  4. 4) R. Barrangouet al.:Science.,315, 1709 (2007).
  5. 5) D. H. Haftet al.:PLoS Comput. Biol.,1, e60 (2005).
  6. 6) K. S. Makarovaet al.:Nat. Rev. Microbiol.,9, 467 (2011).
  7. 7) T. Nozawaet al.:PLoS One,6, e19543 (2011).
  8. 8) M. Enersen :J. Oral. Microbiol.,3, 8487 (2011).
  9. 9) T. Watanabeet al.:J. Bacteriol.,193, 4259 (2011).
  10. 10) T. Watanabeet al.:Genome Biol. Evol., (2013), doi : 10.1093/gbe/evt075.


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