農芸化学@HighSchool

糖類を定性的かつ簡単に判別できるか

Vol.56 No.2 Page. 129 - 131 (published date : 2018年1月20日)
水田 千尋1, 新谷 美波1
  1. 兵庫県立宝塚北高等学校化学部

概要原稿

本研究は,日本農芸化学会2017年度大会(開催地:京都女子大)での「ジュニア農芸化学会」において発表され,銀賞を授与された.身近な食品成分でさまざまな種類がある糖について,クロマトグラフィーなどに頼らず簡便に識別するものである.すなわち,11種類の身近な糖を選び,水溶性・加熱時の変化・浸透圧・発酵の基質性の手段を用いて,これらの識別に成功した.大学や企業の研究現場では,高度に発達したクロマトグラフィーや分光分析の技術に頼りがちであるが,これは,身近な物質である糖を物性や反応性から識別するという,化学の本質に立ち返った素晴らしい方法として,学会から高く評価された.

リファレンス

  1. 1) 山崎光廣,宮崎 博,佐藤宗衛:薄層クロマトグラフィーによる糖質の分離挙動と食品試料への応用分析化学,37(11) (1988).
  2. 2) 香川大学農学部応用生物科学科生物物理化学研究室HP「単糖物性データ」,(http://www.ag.kagawa-u.ac.jp/fukuda/sub5/, 2016.9.19閲覧)
  3. 3) Solubility Database: (https://srdata.nist.gov/solubility/, 2017.4.1閲覧)
  4. 4) 今堀和友,小川民夫:“生化学辞典(第4版)”,東京化学同人,2007.
  5. 5) 数研出版編集部:“フォトサイエンス生物図録”,数研出版,2012.
  6. 6) 阿武喜美子,瀬野信子:“糖化学の基礎”,講談社,1984.
  7. 7) Donald Voer, Judith G. Voet著,田宮信雄 他 訳:“ヴォート生化学(上)第2版”,東京化学同人,1996.


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