解説
亜臨界水抽出法を用いた食品加工への応用の最近の進歩
Vol.51 No.7 Page. 457 - 461 (published date : 2013年7月1日)
概要原稿
亜臨界水抽出法は,水に物質を入れてから,水温100度から300度の範囲で,3~8 MPaの圧力にすると,反応容器内は液体状態になり,加水分解反応を起こし,また水が有機溶媒の性質をもち,多くの成分を抽出することができる.そこで,産業廃棄物や食品廃棄物などの処理後,微生物を加えることによりメタノールやメタンガスなどに変換可能なので,新たなエネルギーの生産技術として注目されている.また,この抽出法は,食品中のタンパク質や多糖類の加水分解やアミノ・カルボニル反応を起こすため,新しい食品が生まれる可能性があり,新食品加工法として注目されている.最近の食品加工への応用と現在開発中の緑茶の連続式亜臨界水抽出について解説する.
リファレンス
- 1) A. Kruse & E. Dinijus :J. Supercritical Fluids,39, 362 (2007).
- 2) A. Basile, M. M. Jimenes-Carmona & A. A. Clifford :J. Agric. Food Chem.,46, 5205 (1998).
- 3) R. S. Ayala & M. D. Luque de Castro :Food Chem.,75, 109 (2001).
- 4) 植田充美,近藤昭彦:“エコバイオエネルギーの最前線”,シーエムシー出版,2005.
- 5) 吉田弘之:“亜臨界水反応による廃棄物処理と資源・エネルギー化”,シーエムシー出版,2007.
- 6) A. Kulkarni, S. Suzuki & H. Etoh :J. Wood Sci.,54, 153 (2008).
- 7) H. Etoh, Y. Maejima, Y. Imaeda, S. Sugiyama, S. Tokuyama, H. Kato, A. Kulkarni & T. Maoka :Carotenoid Science, in press (2013).
- 8) A. Kurkarni, T. Yokota, S. Suzuki & H. Etoh :Biosci. Biotechnol. Biochem.,72, 236 (2008).
- 9) 加藤久喜,衛藤英男:“日本農芸化学会2012年度大会(京都),講演要旨集”,2012, p. 439.
- 10) H. Etoh, N. Ohtaki, H. Kato, A. Kulkarni & A. Morita :Biosci. Biotechnol. Biochem.,74, 858 (2010).
- 11) T. Miyashita & H. Etoh : Food Sci. and Technol. Res.,19, 471 (2013).
本文はトップページからログインをして頂くと表示されます。