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(published date : 2014年2月1日)
リボソームは,すべての生物に存在するタンパク質合成装置であり,DNAからmRNAに写し取られた遺伝情報をポリペプチドに「翻訳」する役割を担っている.細菌においては,リボソームは大小2つのサブユニット,3つのRNAと57のタンパク質から構成されており,その立体構造は極めて複雑である.さらにrRNAの転写後修飾(塩基修飾やプロセッシング)や各成分の協働的なフォールディングなど,その生合成過程も極めて複雑である(1).このため,リボソームは進化的に保守的で,各成分が協調的に進化してきたと考えられてきた.小サブユニットに含まれる16S rRNAなどが微生物系統分類の指標として種の同定に使われてきたのも(2),遺伝子が水平伝播しないことを前提としている(3).