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(published date : 2011年2月1日)
レニン アンジオテンシン系 RAS は 動物における最も重要な昇圧系血圧調節システムの一つである 図1 レニンは主に腎皮質の傍糸球体細胞で生合成されるアスパルティックプロテアーゼであり 様々な刺激によって血液循環へと放出され 肝臓で生合成されるタンパク質であるアンジオテンシノーゲンのN末端に存在する10残基からなるアンジオテンシン I AI を遊離する この反応がRASの律速段階である 不活性なペプチドであるAIはアンジオテンシン変換酵素 ACE によってC末端2残基が切断されて8残基のペプチドであるアンジオテンシンII AII となる 生成したAIIは AIIレセプターを介した細動脈の収縮促進 副腎皮質からのアルドステロンの分泌促進 腎臓における水・ナトリウムの再吸収促進などの作用を通じて 血圧を上昇させる 詳細は成書に譲るが 以上がRASの概要である 1 RASは高血圧治療のターゲットになっており RASに直接作用する薬剤としては ACE阻害剤とAIIレセプターのアンタゴニスト ARB が降圧薬として臨床の場で用いられている