Page. 475 - 482
(published date : 2018年6月20日)
リンゴは,抗酸化作用や抗がん作用,心筋梗塞を抑える効果などを通して国民の健康長寿への貢献が期待されており,見た目が斬新な赤果肉リンゴは果肉にアントシアニンをはじめとするさまざまな有用物質を集積している(1~4).リンゴ赤果皮にも有用物質が含まれているが(5),日本では果皮を剥いて食べることが多く果皮からの大量摂取は期待できない.本稿では,果肉が赤色を呈し,加工用のみならず生食用としても有望なII型赤果肉リンゴに焦点を当て,果肉着色原因遺伝子の構造・機能解析と着色メカニズムの一端,DNA情報を用いた効率的育種方法について解説する.生食用として有望な系統や品種登録された新品種の成分特性についても紹介する.