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(published date : 2014年12月20日)
運動は,全身の臓器に多様な恩恵効果をもたらす.しかし,運動がどのように全身性に多様な効果をもたらすか詳細はわかっていない.近年,骨格筋からさまざまな生理活性物質が分泌され,自己・傍分泌的に筋周囲の組織へ作用したり,あるいは内分泌的に遠隔臓器へ作用するという報告がされるようになってきた.骨格筋から分泌される種々の生理活性物質は,総称してマイオカイン(myo=筋,kine=作動物質)と呼ばれる.これらのことは,骨格筋が分泌器官として重要な役割を果たしており,筋収縮によるマイオカインの分泌増加や,運動トレーニングによる筋量の増加が,生体の恒常性維持に貢献している可能性を示す.近年,白色脂肪細胞の褐色化に関与するとされる新規マイオカイン,Irisinが発見され,注目されている.